染色工場の廃水処理を担当している者です。現在、当工場の処理水は放流基準を満たしてはいるのですが、赤や紫色への着色現象頻繁に視られます。処理水を放流している河川では鮎の稚魚を放流しているポイントとちょうど重なり、地元の漁協との関係が悪くなる原因となっています。何か良い方策はないものでしょうか。
御社の場合、処理水の水質が基準を順当に満たしている、ということですから、法令上処罰の対象になることはありません。
しかし、処理水に着色現象が視られるのは面白くないことだと思います。
今回はたまたま鮎の放流ポイントと重なっていますが、そうでなくてもやはり問題だと思います。
御社が地元の“社会環境”の中の一つの構成要因である以上、工場の操業が環境に対して負荷を与えていない、という企業イメージも非常に重要になってくると思われます。
それでは技術的な部分に対して御答えします。恐らく御社の廃水処理システムの中に、“加圧浮上型”の凝集反応処理槽があると思います。
この“加圧浮上型”凝集反応処理槽は、ファインバブルを利用した廃水処理システムであり、水中の浮遊懸濁物質や色味の除去に大変良好な効果を発揮します。
仮にこうした設備が無いようであれば、導入を御検討さえてみてはいかがでしょうか。劇的な効果が得られると思います。
また、“加圧浮上型”凝集反応処理槽が既に導入されていらっしゃる場合には、浮上分離槽の中の廃水をビーカーにとってみてください。
ファインバブルの調整が上手く出来ている場合には、牛乳のように白濁した(ファインバブルの泡でそう見える)処理水が観察出来る筈です。
理想的な状態は、この泡が完全に消滅するまでに90秒程度掛かるような状態です。
凝集剤の選定も非常に重要です。
凝集フロックの大きさを観察してみてください。ピンポイントフロック(凝集フロックが直径1cm以上の大きなフロックに成長出来ていない状態)のまま浮上分離槽に浮遊しているようであれば、凝集剤の再選定と添加量の調整が必要になります。
(石井)
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